中学受験を成功させる効果的な復習の仕方

中学受験の勉強は範囲も広く膨大な内容を理解する必要があります。限られた時間で学んだ内容を身につけるためには復習が欠かせません。効率よく復習し知識を身につけるためにも、早いうちに正しい復習の方法を理解して実践することが大切です。

もちろん、塾では宿題の指示や家庭学習の取り組み方の指示をしてくれますが、あくまでも一般的な復習方法を提示するため、すべてを子どもに合った方法ではありません。そのため、どうしても上位1割~2割の子だけしかついていけず、全員が実践することはなかなかできません。そのため、もしもお子さんの成績が上がらなかったり、授業で学習したことの定着度が低かったりする場合には、復習の方法に問題がある可能性もあります。

そこで今回はどのような方法で復習をすると学習内容が身につくのか、いくつかの方法を提案します。お子さんの様子に応じて合っている方法を実践し、少しずつ自分にあった勉強法をを増やし、成績を伸ばしていきましょう。

目次

中学受験で復習の時間をどうやって捻出するか

そもそも普段の学習の中で復習の時間を取ることはできているでしょうか。どのようにして復習のための時間を作っていけばいいかを考えていきます。

基本的には忙しくてゆっくり復習する時間は取れない

復習をする、というとどのような内容の勉強をイメージするでしょうか。授業で解いた問題をもう一度解き直したり、授業の内容をノートにまとめたりする作業をイメージするのが一般的です。しかし、受験生はとても忙しくそのような作業をしている時間はありません。

学校に行きながら、週に3日や4日塾に通い、さらには5年生頃までは他に習い事をしているという子も多くいます。習い事をしていなかったとしても、友達と遊んだり学校行事があったり、家族と出かけたり、模試や学校説明会といった受験関連の用事が入ったり、と平日も土日もけっこうハードスケジュールです。

そこで、ゆっくりと「復習時間」として問題の解き直しやノートのまとめをする時間を作る、というのは月に1度から2度ほどしかないと思っておきましょう。しっかりと机に向かって復習だけに専念するのではなく、宿題や解き直しをしながら復習をするという考え方に切り替えます。

効率よく復習できる仕組みを作る

授業で習ったことを何もかも復習したい気持ちはありますが、中にはすでに理解していて必要ないものもありますし、優先順位が高くないものもあります。そこで、復習するべきものの優先順位を理解すること、どのタイミングで何を復習するのかという具体的な流れを作るようにします。

基本的には授業も模試も終わった直後に復習することで定着度も上がりますし、復習時間も短くて済みます。そこで、授業後と模試の後に復習時間を設けられるスケジュールを組むようにします。慣れるまでは大変ですが、ルーティンとなれば子どもたちもそこまで苦痛にはなりません。むしろ決まったルール通りに動かないと気持ち悪いと感じるようになり、保護者が「復習したの?」と聞くような必要もなくなります。

すぐに復習すれば短時間で済む

習った内容をしばらく経ってから復習するとなると、内容を思い出したり、何が理解できなかったかを思い出したりといった作業にかなり時間がかかってしまいます。そこで、復習をするのはすぐに取り掛かることを身につけることが大切です。すぐに復習する習慣をつけておけば、復習をするために予定を調整する必要はありませんし、復習していないものをなくす効果もあります。

中学受験で効率よく復習する方法

復習をする時間を作る方法を理解しても、正しい復習ができなければ効果は出ません。具体的にどのように復習を進めていけばよいのでしょう。

授業内容の復習はノートの見直しと簡単な問題演習

授業を受けたらその日のうちや、次の日の朝に見返すようにします。すぐに見返すようにするだけで、定着度が高まるのが理由です。塾のある日は、家に帰ってくると22時を過ぎることもあり、そこから勉強する時間をとることはなかなかできません。そこで、ざっと何の話をしていたか、どこを暗記すればよいかといったポイントだけ確認するので十分です。余裕があれば、翌日何を復習するか確認しておくようにしましょう。

復習の内容としては、ノートを見返して覚える内容を確認して覚えるべきことを覚えていくのがメインです。とはいえ、ただ見ているだけでは覚えられないですし、算数も解き方を理解できるわけではありません。そこで、基本問題のような簡単な問題に取り組むようにします。

模試は受けたその日に解きなおし

模試は結果が返却されて解きなおすものと思われがちですが、受験したその日に解きなおしをするようにしましょう。多くの模試が、試験が終了したときに解答解説の配布をしてくれます。そのため、その日のうちに解きなおしをすることができるのです。

模試の結果が戻ってきてからのほうが、どこを間違えているか確認ができる、正答率をもとに解きなおすべき問題がわかると思う人もいるかもしれません。しかし、受験生は毎日やるべきことが多くあり、やるべきことを後回しにしてもその時にかならず取り組む時間が用意できるという保証がないです。また、時間が経ってからだと問題文の内容も忘れていることが多くあるために問題を解くのにも時間がかかってしまいます。そこで、少しでも早く解きなおしが終わるよう、その日のうちに解くようにするのです。正誤の確認については、問題を解くときに問題用紙に解答用紙に記入した答えをメモしておけば、試験終了後に〇×をつけることができます。

復習の時に気を付けること

復習をするときにはどのようなことに気を付けておくと理解がしやすいのでしょう。

暗記科目は細かなところまで確認する

理科や社会など、暗記科目の知識の復習のときには、流れや仕組みを理解するだけでなく、漢字まで確認しておくようにします。概要を理解していても、問題を解くときに漢字がわからなかったり間違えて覚えていたりすると正解にはなりません。また、一度間違えて覚えてしまうと覚えなおしの手間がかかりますし、意外と覚えなおすのに時間がかかります。一度で完璧に覚えられるよう、覚えるべきことは正確に覚えるようにします。

復習をするときに、丁寧に「復習ノート」を作って授業の内容をまとめる必要はありません。そこまで時間をかけていると塾の宿題まで手が回らなくなってしまいます。そこで、教科書やノートを見返して覚えるべき内容を確認した後、裏紙のような捨ててもいいメモを用意して漢字や覚えておくべきフレーズをメモするようにしましょう。やはり、漢字は実際に書いたほうが覚えやすいですし、間違えて覚えている部分の確認がしやすいです。

算数は大枠でとらえる

算数の問題は一度解いた問題と全く同じ問題が出題されるということはありません。数字が変わっていたり、問題の表現が違ったりといった少しの違いが出てきてしまいます。そこで、算数の復習をするときには「こういう問題はこうすれば解けるのか」という大枠でとらえることを意識しましょう。

算数が苦手な子ほど、細かな部分の解き方に目が行きがちです。しかし、そのような細かな部分ばかり意識することで、余計に応用力が身につかず解き方のルールが理解できなくなってしまいます。「全体を求め、そこから知りたい部分を出すようにする」とか「面積図にして縦に〇〇、横に△△をとる」といったように大枠を確認して解き進めることを意識すれば、様々な問題に対応できる力を身に着けられます。

中学受験 過去問の復習を効果的に行うには

復習の中でも多くの人が気になるのは過去問の復習方法ではないでしょうか。合否にもっとも影響するものであり、限られた時間の中で少しでも知識を身に着けられるようにする必要があります。そこで過去問の復習の取り組み方のポイントも紹介します。

過去問も解いたらすぐに解きなおし

過去問も解いたらすぐに解きなおします。解きなおしをする流れは普段の授業や模試と同じです。過去問の場合には、難しい問題もあり解説を見ただけでは理解できないものもあります。そういったものは塾にもっていき、先生に質問をして解き方を理解するようにしましょう。

1週間ほどたったら解きなおして復習

過去問で解いて間違えたもの、解き方がわからなかったものは一度解きなおしをしただけで完全に理解できない難しいものが多いです。そこで、1週間ほど間をあけたら復習の時間を設けるようにしましょう。

復習の際に、過去問の場合にはただ見返すのではなく、過去問ノートや印刷した過去問に実際に解くようにしましょう。授業内容の復習と違い、どの科目でも実際に解かないと答えまでたどり着けない問題がほとんどです。そのため目で見て確認したり、解説だけに目を通したりするのではなく、しっかりと問題を解いて答え合わせをして理解度の確認、間違えたり覚えていなかったりしたものは再度チェックするようにしましょう。

もちろん、解きなおしをしても理解できていなかったもの、覚えられていなかったものは再度復習の機会を設けるようにします。すぐだと答えを覚えていることも多く、完全に知識として身につくところまでたどり着いてないことも多いので、また1週間ほどあけて取り組むようにするのが望ましいです。過去問に取り組み始めると復習が必要なものも増えますし、複数の学校を並行して進めるので管理が大変になります。そこで、過去問の復習管理用のカレンダーを用意して、復習が必要なものを目安時期の日付に書き込んでおくと管理がしやすいです。

まとめ

今回は復習の仕方を紹介しました。普段の授業の復習や模試はその場ですぐに解きなおして復習することで定着しやすくなります。慣れるまではすぐに解きなおす、見直すという復習の時間を設けるのは面倒ですが、慣れてくればルーティンを作ることができるようになります。

日ごろから復習の流れを作っておけば、過去問演習のときにもスムーズに行えるようになりますし、効率的に行えるようになります。早いうちから復習の方法や流れを理解し、過去問演習のときに正しく行えるよう意識して取り組んでおきましょう。

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