中学受験の模試の効果的な受け方と活用法・分析法

中学受験を考えている人たちは塾で多くの模試を受けていきます。毎月のように模試を受けていく中で点数や偏差値に一喜一憂して満足していませんか?試験当日合格する人は模試を効果的に活用している人達です。模試を受けてそのままにしていては全く意味がありません。

そこでこの記事では、中学受験において模試を受ける意味と模試の効果的な受け方について詳しく解説していきます。記事を読むことで模試に対する考え方が変わり、合格に向けた効果的な模試の活用方法がわかります。

目次

中学受験で模試を受ける意味

中学受験で模試を受ける意味は知っていますか?ただ単に志望校に対する合格割合と偏差値を知るためのものでは無いのです。模試を受けることでわかることが大きく分けて3つあります。

  • 同じ学年の中で子供のポジションがわかる
  • 子供の苦手分野や得意分野がわかる
  • 試験の受け方がわかる

一つずつ解説していきます。

同じ学年の中で子供のポジションがわかる

模試を受けている人たちはあなたの子供と同じように中学受験を考えている人たちがほとんどです。その模試を受けることによって受験生の中で自分の子供が今どの程度の位置にいるのか、どの程度の合格の可能性があるのかわかります。点数や偏差値以外の他の受験生との比較が載っているので客観的に子供の学力レベルを知ることができます。

子供の苦手分野や得意分野がわかる

実際に勉強をしていて、子供の得意な科目や苦手な科目はわかりますが、どの単元がどの程度得意なのか、苦手なのか普段の学習ではわからないことが多いです。しかし模試を受けることによって、単元別に正答率が載っているので子供の理解度がわかります。

得意だと思っていた分野でも正答率の高い問題を間違えていたら、基礎的な知識が抜けていることがわかりますし、苦手な分野でも正答率の高い問題があっていたら基礎的なことは抑えているというようなこともわかります。

このような子供や親が意識していなかったことまでも事細かくわかることがあるので、今後どのような学習をしていけばいいのか、具体的な対策を考えることができます。

試験の受け方がわかる

小学校の普段のテストでは周りに友達がいて、名前を書いた人から始める。時間が足りなかったり多かったりしたらその都度時間を調節してテストが終了する。こういったテストしか受けていないと思います。

しかし模試だと知らない人の中で、決められた時間で決められたルールの中でテストを受けることになります。正式な試験を普段から経験していない子供にとっては模試を受けること自体が、試験当日の練習になるのです。時間内に問題を解くペース配分、独特な雰囲気の中での試験、何が出るかわからない試験への向き合い方など模試を受けることで試験に対する姿勢を学ぶことができます。

中学受験の模試を効果的に受ける方法

中学入試本番と同じ流れで受ける

模試を受ける時は出来るだけ試験当日と同じ流れで受けるようにしてください。朝起きる時間、朝食べる物、当日に来ていく服装、使用する文房具、当日に持っていく物など全て試験当日と同じようにしてください。

そうすることで、試験当日の自分の動きをイメージしやすくなりますし、試験当日の緊張を和らげることができます。試験当日だけ張り切って、いつもと違うことをするのはオススメできません。細かいところまでこだわって試験当日と全く同じようにして模試を受けましょう。

時間配分の戦略を立てて受ける

模試がいくら実力を試すものだからといって、なんの戦略も立てずにいくのはいけません。自分の実力を最大限に発揮できるように、戦略を立てて模試を受けるようにしましょう。

特に時間配分の戦略に関して非常に大切です。模試にもよりますが、理科、社会は時間的に厳しいことは少ないですが、国語、算数に関しては時間配分を間違えると最後まで解けないことがあります。1番から素直に解く必要は無いのです。模試の過去問が手に入れる場合は過去問を見て解く順番をあらかじめ決めておきましょう。

過去問が手に入れられない場合は、問題を解く上でのルールを決めておくといいでしょう。例えば、10秒考えてわからない問題は後回しにする、漢字の読み書きから問題を解き始める、算数は計算問題から問題を解く、得意な分野から先に解き始めるなどです。

具体的な目標を立てて受ける

模試を受ける上で最も大切なことは目標を立てることです。なんとなく受けている人は模試に対して何の緊張感もないまま受けているはずです。そうなると模試に対してモチベーションもありませんし、試験当日と同じ気持ちで問題を解くことができません。

ですので、必ず目標を立てて模試を受けるようにしましょう。目標をたてるにしても、理科で一番高い点数取る、〇〇君より高い点数を取るといった抽象的な目標はやめましょう。具体的には、偏差値53以上を目指す、正答率60%以上の問題は落とさないといったように、具体的な目標が良いですね。

また、自分にとって低すぎたり、高すぎる目標も効果的な目標にはなりません。自分がギリギリ届くかどうかわからないちょうどよい目標を立てましょう。目標を決めたらその目標をモチベーションにして模試までの期間勉強をしてください。

中学受験の模試の活かし方

設問別正答率一覧を細かく分析する

偏差値や点数を見て満足する人が多いと思いますが、模試の結果が返ってきて一番見てほしいのは、設問別正答率一覧です。正答率の高い問題が間違っていたら、周りの受験生のほとんどは解けているのに、自分は解けていない、正答率の低い問題が解けていたら、周りの受験生は解けていないけど、自分は解けたということです。

ここで注意して確認して欲しいのは正答率の高い問題に関してです。具体的には正答率50%以上の問題です。この問題の中で間違えていた問題があれば基礎的な部分が抑えられていないということです。しっかりと復習をしましょう。

また、同じ偏差値でも中身で大きく変わってくることがあります。正答率50%の問題を多く解けている場合と、あまり解けていない場合でも合計の得点が同じだと偏差値は変わりません。同じ偏差値でも正答率50%以上の問題が多く解けている子の方が伸び代があります。

なぜなら、正答率50%以下の問題が解けて点数が稼げている子はたまたま合っていたり、自分の得意分野の問題が出た可能性があるからです。基礎力が抜けている人はどこかで必ずつまずきます。ですので偏差値や点数に惑わされず設問別正答率を分析して自分の実力を把握しましょう。

徹底的に復習をする

模試が返却されたら設問別正答率を確認して徹底的に復習をしてください。模試を受けて復習をしないのは模試を受けている意味がないといっても過言ではありません。復習することで次に繋がるのです。勉強=復習だと思って勉強に取り組んでください。復習をしない勉強は勉強ではありません。

具体的な模試の復習方法

模試を受けた後の振り返りの作業は非常に重要で、これをしないと模試を受けた意味がありません。模試の振り返りの作業は子供の今の状況が分かりますので、必ずするようにしましょう。

また親御さんの方からも意見を聞きだすように話してみると良いでしょう。模試の結果から苦手な箇所、得意な箇所が丸分かりとなり、これからの対策がハッキリとしてきますので、復習をしながらの分析はしなくてはなりません。

子供一人で分析する事も可能ですが、できるだけ親子で一緒にする方がおすすめです。この親と子の会話の中で、子供が分からない部分と挙げた箇所でも、しっかりと話を聞いて、理解してあげないといけない部分もあります。

例えば、解き方が分からないのか、意味が分からないのかでも大きく違って来ますので、今後の事も考えたら模試の分析も大事だという事です。模試と結果が出た後の分析を繰り返していくうちに、ケアレスミスや意味が分かっても解き方が分からない場合、またはその逆の数も次第に減っていくでしょう。

中学受験で受ける模試は一回きりではありませんから、一度の模試で出た修正箇所や見直し点を一つずつ潰していく事が重要になってきます。それを繰り返して、本番の中学受験に挑めば良いでしょう。

このように模試は、課題を見つけるために必要な事であり、受けた後の分析が更に重要な役割を担っていて、それを怠らないようにして下さい。もちろん模試の分析は、既に覚えた所の反復学習にもなっていますので、全体の復習としても役に立っているのです。では、具体的な復習方法をアドバイスしてきます。

間違えた問題の仕分けをする

まずは問題用紙に間違えた問題に印をつけていきます。正答率50%以上の問題で間違えたものには赤丸で印をつける。正答率50%以下の問題で間違えたものには青丸で印をつける。勘でたまたま合っていた問題には星マークをつける。以上のようにして問題を3種類に分けて復習をするようにします。優先してやるのは赤丸で印をつけた問題です。

復習をする順番

  • 設問別正答率の高い問題で間違えた問題から解き直す
  • 自信はあったが間違えていた問題を解き直す
  • 得意分野で間違えたところを解き直す
  • 苦手な分野で間違えたところを解き直す

この順番で解き直しをすることで効率よく復習が行えます。まずは赤丸の問題を全て解き直してください。それから星マークの問題、青丸の問題の中で上記の順番で解き直しをします。

偏差値50以下の場合は正答率が10%以下の問題は効果的に偏差値を上げていきたいのであれば、後回しにしても問題ありません。おそらく解説を見てもある程度の実力がないと、理解できず時間の浪費になってしまいます。

間違えた理由を分析する

解き直しをしている時は必ずどうして自分がその問題を間違えたのか理由を分析してください。そうでないと再び同じミスをしてしまい次の試験に活かすことができません。間違えた理由はノートにまとめて書き出したりするものおすすめです。間違い直しノート、解き直しノートを作るのもいいかもしれません。

1週間後に再び間違えた問題を解く

復習は1回だけではダメです。一度復習をしてから1週間後に再び同じ問題を解き直してください。赤丸の問題から解き直しましょう。再び解き直した時に間違えていた問題はあなたが苦手な分野なので、その分野を教科書や参考書で確認するようにしてください。

また、間違えた問題には印をつけておいて、1週間後にもう一度解き直すようにしましょう。この繰り返しをして受けた模試の中でわからない問題がないような状態を作ることができて本当の復習になります。


「よく復習は何回すればいいですか?」と質問を受けますが、復習する回数は決まっておらず、その問題が完璧に理解できるまでと答えています。復習の回数にとらわれず、自分がその問題に対して完璧に理解できるまで復習するようにしましょう。

まとめ

模試を受ける意味

・同じ学年の中で子供のポジションがわかる
・子供の苦手分野や得意分野がわかる
・試験の受け方がわかる

模試の効果的な受け方

・当日と同じ流れで受ける
・時間配分の戦略を立てる
・具体的な目標を立てる

模試の活かし方

・設問別正答率の高い問題から復習する
・間違えた理由を分析する
・完璧に理解できるまで何度も復習

いかがだったでしょうか。模試を受ける意味と効果的な受け方について理解してもらえたと思います。ここで紹介した内容は、偏差値が60をこえている受験生は、ごく当たり前のようにやっていることです。

そして、この当たり前のことを毎回毎回積み重ねていくことが志望校合格に繋がります。最後までご覧いただきありがとうございました。この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

目次